2020年9月14日、自由民主党は党大会に代わる両院議員総会を開催し、菅義偉官房長官を第26代総裁に選出した。
同16日に召集される予定の臨時国会にて第99代内閣総理大臣に指名される見通しだ。
菅義偉氏は「無派閥で、世襲でもない」ことから「本来ならば総理になれない人」という点では一致するものの、好意的なものから否定的なものまで評価は様々だ。
私としても、コロナウイルス感染症対策担当大臣である西村康稔経済再生担当大臣の頼りなさが、逆に担当にならなかった菅義偉官房長官に幻想を持たせることとなり、急に「ポスト安倍」となってしまったと感じている。
で、実際どんな人物か知るべく著書を調べたら一冊だけで、しかも官僚の使い方という組織論という内容であり、政治家としての理想を語ったものでは無いことに愕然とした。
- 作者:菅 義偉
- 発売日: 2012/03/13
- メディア: 単行本
そんなこともあり、人物評価はどうしても周辺から攻める方法にならざるを得ないところだが、私が読んだことがある本の中で参考になると感じたのは、中島岳志東京工業大学教授による著書「自民党 価値とリスクのマトリクス」である。
朝日新聞の論座にエッセンス版といえる記事が公開されている。無料部分だけであってもお勧めできる内容だ。
最後に私が抱いている印象を言えば、強い意志でやってきたことが「携帯電話料金4割値下げ」や「ふるさと納税制度創設」といったことから、「何かにつけて金の話をする」の人というイメージだ。
だからこそ経済が肌感覚で分かるのではという期待と、理想や理念が無いという不安が両方あり、今は不安の方がやや大きい。